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持ち家の貸し出しは8つの手順で完了します【ローン支払い時は注意】

不動産マメ知識#持ち家

最終更新日:2018.08.23

持ち家の貸し出しは8つの手順で完了します【ローン支払い時は注意】

「子どもが独り立ちして落ち着いたので、自分たちは違うところに住もうと思っている。今後、子どもが戻ってきて住む可能性があるので、売却ではなく賃貸に出したい。そのときの流れや注意点はなんだろう。」

そんな疑問に答えます。

 本文の内容

  • 持ち家を貸し出すまでの8STEP
  • 持ち家を貸し出すメリット
  • 持ち家を貸し出すデメリット
  • 持ち家を貸し出すときの注意点

弊社は地域密着型の不動産会社として今年で創業11年目になります。様々な事情から持ち家を貸し出したいという方の相談にも乗ってきました。この記事では、そうした経験をもとに貸し出すまでの流れと注意点を解説します。

1.持ち家を貸し出すまでの8STEP

持ち家を貸し出したいと考えて、実際に賃貸として運営するまでは大きく8STEPで完了します。

STEP1.賃料の相場を把握する

持ち家を貸し出すことを考えた時、真っ先に不動産会社へ査定を依頼することはおすすめしません。あなたが貸し出す間取りの物件や地域における賃料の相場を把握していなければ査定結果を判断できないからです。

まずは大手不動産ポータルサイトで、あなたが貸し出したい物件に近い間取りの賃料や、周辺地域の賃料を確認します。

また公益財団法人不動産流通推進セターが発表している家賃相場も賃料の目安になるので、目を通しておくといいでしょう。
» 2017 不動産業統計集

STEP2.収支のシミュレーションをたてる

持ち家を賃貸として貸し出す場合、初期投資としてクロスの張り替えや水回り設備の整備などのリフォーム費用として200万~300万円ほどかかります。また、毎月の管理費・修繕積立金、毎年の固定資産税・都市計画税等の支払いもあります。さらに、賃貸の管理を管理業者に委託する場合には管理費もかかります。

賃料の相場を参考にしながら、事前に年間でどれくらいの収支になるのかを考えておけば、不動産会社に依頼するときの目安にできます。

STEP3.賃料の査定を依頼する

どれくらいの家賃であれば、どれくらいの収入になりそうか。イメージがつかめたら実際に賃料の査定を依頼しましょう。

賃料査定には登記簿謄本や地図、写真、過去の取引実績から判断する簡易査定と、現地調査まで行って査定する訪問査定の2種類があります。

査定では高ければいいというわけではなく、入居者が決まる適正な賃料であることが大切です。そのため、STEP1・2での賃料相場の把握と収支シミュレーションを参考にします。

※弊社でも賃料査定は行っておりますのでお気軽にご相談ください。
» お問い合わせはこちら

STEP4.不動産会社を選ぶ

基本的には査定を依頼した会社の中から、賃貸のサポートをしてくれる不動産会社を選びます。実際に入居者を募集するタイミングでは、入居希望者から周辺環境などの細かい情報も質問されるでしょうから、地域密着型の方が向いているといえます。

また今現在住んでいる家が、貸し出す家から遠いところにあったり、本業があったりする場合には自分で賃貸物件の管理をすることは難しいです。不動産会社を選ぶ時には入居者募集をしてくれるかだけでなく、「管理委託」も可能かどうか確認も大切です。

STEP5.貸し出し条件を決める

任せる不動産会社を決めた後は、詳しく貸出条件の打ち合わせを進めます。

今まで自分たちが住んできた家だからこそ、できるだけいい人に住んでもらいたいと思って条件を厳しくしたり、多くしたりしてしまいがちですが、条件が多いほど入居希望者は絞られるので、要相談のポイントです。

周辺の住環境や相場、目標収益など総合的に判断して決めていきます。

STEP6.入居者の募集と審査を行う

貸出条件が確定したら、実際に不動産会社は入居者の募集を始めます。募集には広告を作ってインターネットや店頭への掲載や情報誌への掲載などが代表的です。

また会社によっては、大手ポータルサイトへの登録や指定流通機構への登録なども含めて募集してくれることもあるので、契約前にどのような方法で募集してくれるのかも確認しましょう。

内見は基本的には不動産会社の担当者が対応してくれますが、審査については、本人が行うか不動産会社が行うかは契約の仕方によります。

信頼できる不動産会社であれば、入居者の募集から審査の決定まで代理で行ってもらえる代理契約にすると、手間なく持ち家を賃貸として貸し出せます。

STEP7.賃貸借契約を結ぶ

審査で問題なければ、賃貸借契約を入居希望者と締結します。

賃貸借契約をする前には、重要事項説明を行っておく必要がありますが、不動産会社にまかせて問題ないところです。重要事項説明では物件に関する情報を借主に説明するものになるので、情報に漏れがないようにしっかりと不動産会社に説明しておきましょう。

契約自体は書面上のやり取りで済ませることが一般的です。

STEP8.管理・運営を行う

持ち家の貸し出しに限らず、賃貸経営は入居者が決まってからがスタートともいえます。家賃の集金や入居者からのクレーム対応、設備の修繕などの管理業務が発生します。

もし家賃の入金が送れるようであれば督促もしなければいけません。本業が大家業であれば、自主管理という方法もありますが、始めて賃貸経営をするときは管理の委託を考えたほうが賢明です。

費用は家賃の5%程度が相場となっていますが、自分自身で管理運営する手間と時間を考えれば十分な投資費用ともいえます。

※弊社では管理まで含めご対応させていただくことが可能です。
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2.持ち家を貸し出すメリット

もう住まなくなった持ち家を貸し出すときのメリットは大きく2つです。

メリット①:家賃収入が得られる

賃貸物件として運用することで、家賃収入を得られるようになります。売却では一度に大きな金額を手にすることができますが、それだけ多くの税金もかかってきます。

一方で家賃収入という形であれば、賃貸運営にかかった費用は経費として計上できたり、固定資産税なども経費にできたりするだけでなく、毎月安定して入金されるので税金面でも有利です。

メリット②:将来的に戻って住むこともできる

子どもが独り立ちしたあと、また実家の周辺に戻ってくることがあるかもしれません。そのときに帰れる自宅が残っているというのは心情として嬉しいものです。

賃貸契約中の状態で無理やり入居者を追い出すことはできないですが、退去のタイミングで子どもを入居させるというようなこともできます。

3.持ち家を貸し出すデメリット

持ち家の貸し出しにはデメリットもあります。

デメリット①:赤字になる可能性がある

一番多いのは、賃貸として出したものの入居者が見つからないということです。どんなにいい物件だったとしてもタイミングによっては空室になる可能性があります。物件によっては長く空室が続く可能性があります。

それでも固定資産税・都市計画税は変わらずかかってきますし、管理コストも同様です。入居者が見つからなければその分赤字になり、損失が大きくなってしまいます。

デメリット②:入居者トラブルで余計な心労がかかる可能性がある

周辺の騒音がうるさい、貸し出したときには気づかなかった物件の不具合がみつかった、建物設備が故障してクレームになった、など他人に持ち家を貸し出すために起こるトラブルは避けられません。

特に自分自身が住んでいた時には気にならなかったり、我慢したりしていたことも、入居者にとっては大きな問題だと感じることもあるからです。そうしたときに、オーナーとして対応が求められます。

管理会社に委託してれば直接入居者とやり取りすることはないかもしれませんが、トラブルがあったなどの報告があると気になってしまうでしょう。

4.持ち家を貸し出すときの注意点

また持ち家を貸し出す時に気をつけたいポイントもあります。

その①:ローンが契約違反となる可能性がある

もし賃貸に出す家がローンの支払い途中の場合、契約違反になるおそれがあります。

住宅ローンは金利が安いことがメリットですが、その条件は「家の名義人が住むこと」となっているものが一般的です。そのため、住宅ローンが残っている持ち家を貸し出すと一括返済を求められる可能性もあります。

必要であれば住宅ローンから投資用ローンに切り替える必要も出てくるので、事前に金融機関へ相談することが大切です。

その②:住宅ローン控除が適用されなくなる

条件を満たせば年末の住宅ローン残高に応じて、最大40万円、10年間控除される制度が住宅ローン控除です。

これも住宅ローンを借りているときと同じで、実際に住んでいることが控除の条件に含まれるため、賃貸に出した時点で控除が適用されなくなります。

マイホームの購入については国も様々な優遇措置を取っていますが、そうしたメリットを受けられなくなるので、もし住宅ローンの残債がある場合は注意しましょう。

以上、持ち家を賃貸に出すときの流れ、そのメリット・デメリットについてお伝えしました。今まで住み慣れた家を取り壊すことなく、収入と資産形成につなげられれば、退職したあとのことも安心です。

ただし賃貸経営では赤字になる可能性があるので、入念にシミュレーションすることも大切です。そのうえで、賃貸か売却かを決めた方がいいでしょう。