「万が一、マンション買取で詐欺に合ったらと思うと不安。買取業者の中には悪質な業者もあるというし、詐欺に合わないためにどういうことに気をつけたらいいか知りたい。」
そんな疑問に答えます。
本文の内容
- マンション買取で被害の多い2つの詐欺
- マンション買取詐欺に合わないための3つの対策
- 万が一、マンション買取が詐欺と疑わしいときの相談先
弊社は創業して11年目の不動産会社です。これまで地域密着型として営業してきました。そのため多くのお客さまと親しくさせていただいておりますが、時々、「マンション買取で売却しようと思ったら詐欺に合った。」という相談を受けます。
そこでこの記事では、マンション買取で詐欺に合わないために代表的な詐欺の手口と対策についてお伝えします。また万が一、詐欺かもしれないと思ったときの相談先についても紹介しているのでどうぞお読みください。
1.マンション買取で被害の多い2つの詐欺
マンション買取では次の2つの詐欺に合われる方が多いです。
その①:地面師-登記移転を勝手に行い第三者に売却する
不動産取引の詐欺で非常に多いものが「地面師」という詐欺師・詐欺グループよる詐欺です。
地面師の手口は土地や建物の売却が成立する、つまりマンション買取で言えば買取代金が振り込まれる前に、「勝手に」登記移転を行います。そして本人になりすまして第三者に売却して売主にはお金を一切支払わずに、第三者からお金を受け取って失踪してしまいます。
この登記移転を行うには、印鑑証明書やパスポートなどの身分証明証が必要です。本来、マンション買取で印鑑証明書を渡すのは、売買契約を結ぶと決済・引渡し時の2回です。不動産会社によっては売買契約を結ぶときだけのこともあります。
しかし地面師はいろいろな理由をつけて、売買契約を結ぶ前に手に入れようとしてきます。特にマンション買取に詳しくない方はいつ、どの書類が必要か正確に把握していることは少ないので、専門家に見える地面師の言うことが正しいように思って準備してしまうのです。
その結果、勝手に登記移転されてしまい、知らないところで転売されてしまうことになります。もちろん詐欺による登記移転・第三者への売却ですから、マンションを失ってしまうわけではありません。
購入した相手に登記抹消を求めて取り戻すことができますが、それでも大きな手間がかかります。またスムーズに話が進まない場合は、民事訴訟を起こす必要もあり、弁護士費用なども必要です。
購入者はマンションを手に入れられず、お金を騙し取られて、詐欺師だけが得をするので、地面師の被害に合わないためにも契約を結ぶときと決済・引き渡しのとき以外は絶対に渡さないようにしましょう。
その②:マンション買取代金を小切手支払いにする
マンション買取で取引されるお金を大金です。現金でそのまま移動させるというのは盗難・強盗の心配もあり、現実的ではありません。
そのため基本的には現金振込が行われて、口座への着金を確認してから引き渡しが行われるのですが、「小切手支払い」にして詐欺被害に合われる方もいらっしゃいます。
小切手を振り出すには小切手に記入する金額以上の残高が当座預金に入っていなければできないのですが、振り出したあとでなら当座預金から引き出すことができます。
詐欺師は、小切手を振り出した後で引き渡しを行い、マンションの持ち主が換金する前に当座預金から現金を引き出してしまうわけです。そうすれば詐欺師はマンション買取代金を支払わずに、所有権移転登記によってマンションの所有者となります。
その結果、詐欺師は堂々とマンションを第三者に売却してお金を得ることができ、利益を得られます。そして不渡りがわかるときには雲隠れしていて、連絡がつかない状態です。
地面師の詐欺と同様、この場合でもマンションの所有権は取り戻すことができますが、手間がかかります。
もし不動産買取で小切手支払いを求められたら絶対に拒否しましょう。それでも小切手支払いとなった場合は、換金を確認してから引き渡しを行うようにしてください。
2.マンション買取詐欺に合わないための3つの対策
このようなマンション買取詐欺に合わないためにはどうしたらいいのでしょうか。簡単にできる対策を3つ紹介します。
その①:会社情報を調べてから買取の相談をする
不動産会社を名乗るチラシや電話で買取の話がきたときは注意してください。その不動産会社が本当に存在していたとしても、連絡してきた相手は勝手に、その名前を名乗っている可能性があるからです。
また聞いたことがない名前の不動産会社だった場合でも必ず会社情報を調べましょう。
というように甘い言葉で誘惑して、考えたり・相談したりさせないような状況を作ろうとしてきますが慌ててはいけません。
今はインターネットで会社名を検索すれば住所や評判など簡単に調べることができます。詐欺に合わないためにも、本物の不動産会社か、信頼できる不動産会社かは調べておきましょう。
そのあとで、改めて買取の相談をするようにしてください。
その②:登記の移転は代金決済と同時に行う
お伝えしたように、マンション買取での詐欺は先に登記移転が行われてしまうことによる買取代金の未払い・第三者への売却です。
そのため詐欺師は様々な理由をつけて登記移転のために必要な印鑑証明書を先に提出させようとしてきます。ですが、決して渡さないようにし、登記の移転は代金決済と同時に行うように伝えておきましょう。
その③:買取代金は必ず現金で受け取る
通常の不動産会社であれば、マンション買取のときの代金は現金(銀行振込)で支払います。小切手支払いをしている会社もありますが、この記事を読んでいただければ小切手支払いの危険性はわかっていただけたと思います。
そのため、詐欺師かどうかに関わらず、買取代金を小切手支払いで受けるのは断ってください。それでも断りきれず小切手支払いとなった場合は、換金できたあとに所有権移転登記を行うようにしましょう。
そうすれば小切手が不渡りになったとしても、マンションの所有権は移転されていないので、それまでの時間は無駄になってしまいますが詐欺の被害は出ません。
また、マンションに限らず、不動産買取全般で多い詐欺の手口と対策については下記の記事でも詳しく解説していますので合わせて御覧ください。
» 不動産買取での2つの詐欺の手口【詐欺に合わない5つの対策も紹介】
3.万が一、マンション買取が詐欺と疑わしいときの相談先
最後に、マンション買取の話が詐欺かもしれない、と思ったときの相談先を紹介します。疑わしいときは1人で悩まず、すぐに相談してください。
独立行政法人 国民生活センター
消費生活に関する情報を全国の消費生活センターから収集して、消費者被害の未然防止・拡大防止に役立てている独立行政法人です。
詐欺問題などの様々な相談事例と解決結果がまとめられています。消費生活センターが昼休み時間である平日11時から13時は直接電話で相談できます。
法テラス
法的トラブルを抱えてしまったけれど、「誰に相談すればいいかわからない」「どのような解決方法があるのかわからない」というときに、相談できる窓口です。
最初から弁護士のような専門家に相談するのには抵抗があるという方でも法テラスを通して、適切な相談先を案内してもらえます。
詐欺に合ったかもしれない、と思うと疑心暗鬼になってしまってもしょうがないですが、法テラスと提携している専門機関であれば安心して相談して大丈夫です。信頼できる専門家を探すときにも活用してみてください。
4.まとめ
マンション買取詐欺の手口はこの記事で紹介した2つが大半です。
- 買取代金を受取る前に印鑑証明書は渡さないこと
- 小切手支払は拒否する、もしくは換金を確認してから物件引き渡しを行うこと
- うまい話にも焦って飛びつかず、自分で調べること
この3つを意識していただくことで、詐欺被害に合うことは避けられます。
それでも詐欺師の巧妙な手口によって騙されてしまうかもしれません。万が一、そのようなことになったら、この記事で紹介した相談先に連絡してみてください。