9月19日、国土交通省は、毎年7月1日時点の土地取引の目安となる「基準地価」を公表しました。
調査結果によると、都道府県別では、「京都府」が商業地上昇率1位となり、2015年から2年連続1位だった大阪府からトップの座を奪う形になりました。
昨年に引き続き、訪日客数が増加する中、旺盛なインバウンド需要に支えられての上昇となっています。
目次
都道府県別ランキング
都道府県別の商業地上昇率ランキングTOP5は、次のようになります。
- 大都市圏の「大阪府」「京都府」
- 観光地の「京都府」「沖縄県」
- 復興需要により5年連続の上昇となる「宮城県」
が上位を占めました。なお、全国平均は、前年比0.5%の上昇となります。
都道府県 | 上昇率 | |
---|---|---|
1 | 京都府 | 5.7% |
2 | 大阪府 | 5.0% |
3 | 東京都 | 4.9% |
4 | 宮城県 | 4.5% |
5 | 沖縄県 | 4.2% |
出典:国土交通省
全国の基準値別ランキング
さらに細かいエリア別に見ると、訪日外国人から人気の高い京都府の上昇が目立っています。
都道府県 | 地点 | 上昇率 | |
---|---|---|---|
1 | 京都府 | 京都市伏見区深草稲荷御前町89番 (JR稲荷駅近く) |
29.6% |
2 | 大阪府 | 大阪市中央区宗右衛門町46番1外 『宗右衛門町7-2』 (CROESUS心斎橋) |
29.1% |
3 | 愛知県 | 名古屋市中村区名駅3丁目2605番 『名駅三丁目26番6号』 (名駅古川ビル) |
28.8% |
4 | 愛知県 | 名古屋市中村区椿町109番1外 『椿町1番16号』 (井門名古屋ビル) |
28.1% |
5 | 京都府 | 京都市東山区四条通大和大路東入祇園町北側277番 | 27.3% |
6 | 京都府 | 京都市下京区四条通柳馬場西入立売中之町92番 | 25.3% |
7 | 京都府 | 京都市中京区蛸薬師通東洞院東入泉正寺町322番 | 24.4% |
8 | 京都府 | 京都市下京区新町通七条下る東塩小路町727番5 | 24.0% |
9 | 愛知県 | 名古屋市中村区名駅2丁目4010番 『名駅二丁目40番16号』 |
23.7% |
10 | 福岡県 | 福岡市博多区冷泉町206番 『冷泉町5-32』 |
23.3% |
出典:国土交通省
上昇率トップ3の周辺状況については、次のとおりです。
1位、「JR稲荷駅」周辺について
全国トップである「伏見稲荷大社」は、全国に約30,000社ある稲荷神社の総本社です。
鳥居が無数にみっしりと連なっている「千本鳥居」が圧巻。
世界最大の旅行サイトの『外国人に人気の日本の観光スポットランキング』で2年連続1位に輝いたこともあり、連日多くの訪日観光客が詰めかける観光スポットとなっています。
2位、「CROESUS心斎橋」周辺について
大阪府内の上昇率トップは、大阪を代表する繁華街ミナミ(難波・心斎橋)の中心地です。
道頓堀があり、
- グリコサイン
- くいだおれ人形
- 巨大カニの看板
などは、テレビや観光ガイドブックでも紹介され、大阪一有名な場所と言っても過言ではありません。
連日、国内外から多くの観光客が訪れ、グルメや買い物客でにぎわっています。
3位、「名駅古川ビル」周辺について
全国上昇率3位は、2027年のリニア中央新幹線開業に向けた大規模再開発が行われている「名古屋駅周辺」です。
2017年には、
- 高さ211.1mの超高層ビル「JRゲートタワー」
- 高さ170mの超高層ビル「グローバルゲート」
が開業。
今後も南北400mの「名鉄名古屋駅新ビル」等の再開発が計画されており、目の離せないエリアとなっています。
大阪府の市区町村別ランキング
次は、大阪府の市区町村別ランキングです。
都道府県 | 上昇率 | |
---|---|---|
1 | 福島区 | 14.6% |
2 | 浪速区 | 14.1% |
3 | 中央区 | 13.3% |
4 | 西区 | 12.2% |
5 | 北区 | 11.5% |
出典:国土交通省
1位、福島区
上昇率トップは、大阪市北区のお隣「福島区」です。
北区で行われている
- うめきた2期再開発
- 阪神百貨店の建て替え
- ヨドバシ梅田タワー(仮称)の建設
などの大規模な再開発の影響が周辺地域にも広がっていると考えられます。
2位、浪速区
浪速区では、日本有数の電気街「日本橋地区」でのマンション・ホテル建設ラッシュを背景に地価が上昇基調にあります。
福島区と同じく、中央区の地価上昇の影響がお隣の「浪速区」にも広がっていると考えられます。
3位、中央区
大阪市中央区は、訪日観光客に人気の「ミナミ(難波・心斎橋)」のあるエリアです。
昨年に引き続き、多くの訪日観光客が訪れており、外国語に対応した店舗もあちこちで現れました。
今年、3月22日に国土交通省が発表した「地価公示(毎年1月1日時点の土地価格)」においては、地点別の商業地上昇率ランキングで全国1・2位を独占した地域となります。