- 親から家を相続した
- 急に転勤することになった
など、さまざまな事情で持ち家が空き家になることがあります。
この記事では、「持ち家が空き家になったら、どのように維持・管理してばいいのか」を解説しています。
目次
空き家の維持・管理方法
空き家を”廃屋”にしたくないのであれば、定期的に適切な管理をすることが大切です。
なぜなら、人が住まない家は急速に傷むからです。
対処法としては、次に紹介する
- 換気をする
- 通水をする
- 掃除をする
などがあげられます。
1、換気をする
空き家を維持・管理するには、すべての窓を開けて換気をすることが重要です。
なぜなら、高温多湿な日本では、人が住まなくなり、長期間玄関や窓が締め切ったままになると、すぐに湿気がたまってしまうからです。
湿気がたまると、
- カビの発生
- 木材の腐敗
などの原因となってしまうため、定期的に換気を行い、屋内にこもっている湿気を逃しましょう。
頻度としては、1ヶ月に1回以上が理想的。
(気密性の低い家であれば、もう少し間隔を空けても問題ありません。)
リビングや寝室の窓だけでなく、お風呂やトイレ、さらには押入れ、靴箱、物置などの収納スペースもすべて開放すると良いでしょう。
2、通水をする
空き家を維持・管理するために、通水も忘れてはいけない作業です。
なぜなら、長期間水道管に水を通していないと、「排水トラップ」の水が蒸発して、
- 下水から悪臭が立ち上る
- ゴキブリやネズミなどの害虫の侵入経路になる
原因となったり、水道管が錆(さび)付いて破損する恐れもあります。
キッチンや浴室、洗面所など、すべての蛇口をひねって、最低1分以上水を出しっぱなしにしておきましょう。
もし、水道を止めてしまっているなら、排水口に蓋(ふた)をしておくと良いです。
3、掃除をする
空き家を維持・管理するには、掃除もしなければなりません。
なぜなら、ホコリや虫の死骸が蓄積していき、それを餌にするゴキブリやクモ、蛇、ねずみなどの害虫が増える原因となるからです。
こちらも頻度としては、1ヶ月に1回以上が理想的です。
室内は床の拭き掃除をして、屋外は庭の雑草抜きやゴミ拾いを行います。
庭木があるのなら、ご近所トラブルを防ぐために隣の敷地や道路にはみ出してしまった枝を切っておきましょう。
空き家の点検も忘れずにしよう
空き家を手入れするだけでなく、異常がないか点検することも大切です。
防犯のための確認
これは、最初に空き家に訪れたときに確認すべきことです。
- 玄関や窓の鍵がかかっているか
- 鍵の差し込み口などにこじ開けた跡はないか
を点検して、不審者の侵入形跡がないか確認してください。
もし、不審なことが何回も続くようであれば、警察に相談しましょう。
雨漏れの確認
空き家を維持・管理する上で「雨漏れ」の確認は必須です。
なぜなら、雨漏れを放置していると、
- 柱や床が腐る
- カビの大量発生
- シロアリの大繁殖
の大きな原因となり、木造や鉄骨問わず耐久性を著しく低下させ、建物の寿命に深刻な悪影響を与えるからです。
点検方法としては、
- 天井や壁にシミはないか
- 壁紙の一部が浮いていないか
など、前回訪れたときと比較しながらチェックしていきましょう。
できることなら、屋根の瓦などが飛ばされていないかも確認。
気になる箇所があれば、写真を撮っておくのも良いでしょう。
空き家の管理は誰がする?
空き家の近くに住んでいるなら、定期的に自分で手入れをしにいけば良いでしょう。
しかし、遠方に住んでいるのなら、わざわざ行くのは大変な話です。
そんなときは、
- 親戚や兄弟に頼む
- 代行業者を利用する
という方法があります。
1、親戚や兄弟に頼む
空き家の近くに住んでいて、維持・管理を引き受けてくれる親戚や兄弟がいるなら、謝礼を渡して、お願いしてみるのも良いでしょう。
2、代行業者を利用する
お金はかかりますが、空き家を管理してくれる代行業者に頼むのも一つの手。
「空き家 管理 地名」などで検索すれば、多くの代行業者が見つかります。
地域によっては、月額5,000円以下の代行業者も存在します。
自分で行く手間や交通費を考えれば、代行業者に頼んだほうが安上がりの可能性もあるので、検討する余地は大いにあります。
空き家を放置していると固定資産税が最大6倍にも
空き家を放置していると、行政から倒壊や衛生上有害となる恐れがあると見なされ、「特定空き家」に指定される可能性があります。
ひとたび特定空き家に指定されると、
- 固定資産税が最大6倍になる
- 都市計画税が最大3倍になる
- 撤去や修繕命令が下される
といった措置がとられ、税金の負担が一気に増えてしまいます。
例えば、次のような建物があったとして、「空き家」と「特定空き家」の固定資産税を計算してみます。
- 住宅用地:185m2
- 課税評価額(土地):1500万円
- 課税評価額(建物):600万円
項目 | 固定資産税 (空き家) | 固定資産税 (特定空き家) |
---|---|---|
土地 (1500万円) | 1500万円 × 6分の1 × 1.4% = 35,000円 | 1500万円 × 1.4% = 210,000円 |
建物 (600万円) | 600万円 × 1.4% = 84,000円 | 600万円 × 1.4% = 84,000円 |
合計 | 119,000円 | 294,000円 |
すると、特定空き家の指定により、軽減措置がなくなったことで、土地にかかる固定資産税が
- 35,000円 → 210,000円
の6倍に上昇することが分かります。
その結果、固定資産税(土地・建物の合計)が年間175,000円上昇。
5年間では、875,000円の負担増となります。
空き家の維持・管理が面倒だからといって、放置していれば取り返しの付かないことになるので注意をしたいところです。
空き家を貸し出すのも一つの手
いかがでしたか?
空き家の維持・管理には非常に手間がかかることが分かります。
また、
で紹介したとおり、毎月のコストもばかにはできません。
思い入れのある家を売りたくないけど、毎月の維持費や手間を考えたら手放すのもやむをえないかも・・・。
そんな悩みを持っている方におすすめできるのが、空き家を人に貸すという選択です。
空き家の管理の手間から開放されるだけでなく、安定した家賃収入も見込むこともできます。
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