・親から家を相続した
・急に転勤することになった
など、さまざまな事情で持ち家が空き家になることがあります。
この記事では、「持ち家が空き家になったら、どのくらい維持費がかかるのか」を解説しています。
持ち家の修繕費用は30年で832万円にも
不動産コンサルティング会社、さくら事務所(東京・渋谷)が一般的な戸建て
- 木造2階建て
- 延べ床面積166平米
の築後30年の修繕費用を試算したところ、832万円かかるという計算結果がでました。
832万円の内訳としては、次のようになります。
項目 | 1回当たりの費用 | 修繕工事の頻度 |
---|---|---|
シロアリ対策 | 12万円 | 5年ごと |
屋根塗装 | 85万円 | 15年ごと |
外壁塗装 | 120万円 | 15年ごと |
バルコニー防水 | 30万円 | 15年ごと |
雨どいの交換 | 30万円 | 15年ごと |
給湯器の交換 | 35万円 | 15年ごと |
ユニットバス交換 | 80万円 | 築20年で |
給排水管の交換 | 80万円 | 築30年で |
※さくら事務所の資料を基に作成
築後30年で832万円の修繕費用
- 1年間で約27万7,000円
- 1ヶ月で約2万3,000円
かかる計算になります。
管理にも費用がかかる
さらに『持ち家が空き家になった【維持・管理方法まとめ】』で解説したとおり、空き家を”廃屋”にしたくないのであれば、定期的に適切な管理をする必要があります。
具体的には、1ヶ月に1回程度、空き家を訪れて、
- 換気
- 通水
- 掃除
といった作業をしなければなりません。
空き家の近くに住んでいるならいいですが、遠くに住んでいるなら交通費を払って訪れたり、代行業者に頼まなければなりません。
代行業者に頼んだ場合、地域によって料金は変わってきますが、
- 1年間で12万円
- 1ヶ月で1万円
程度を見ておいた方が良いでしょう。
税金や保険料もかかってくる
さらに空き家を所有していると、
- 税金(固定資産税、都市計画税)
- 火災保険料
もかかってきます。
税金(固定資産税、都市計画税)
こちらは、空き家の評価額によって大きく変わってきますが、
- 課税評価額(土地):1500万円
- 課税評価額(建物):600万円
とした場合は、それぞれ次のようになります。
項目 | 固定資産税 |
---|---|
土地 (1500万円) | 1500万円 × 6分の1 × 1.4% = 35,000円 |
建物 (600万円) | 600万円 × 1.4% = 84,000円 |
合計 | 119,000円 |
項目 | 都市計画税 |
---|---|
土地 (1500万円) | 1500万円 × 3分の1 × 0.3% = 15,000円 |
建物 (600万円) | 600万円 × 0.3% = 18,000円 |
合計 | 33,000円 |
合計すると、
- 1年間で15万2,000円
- 1ヶ月で約1万2,666円
かかってくる計算です。
また、空き家を放置していると、行政から倒壊や衛生上有害となる恐れがあると見なされ、「特定空き家」に指定される可能性があります。
特定空き家に指定されると、
- 固定資産税が最大6倍
- 都市計画税が最大3倍
と税金の負担が一気に増えてしまうため注意したいところです。
詳しくは、次の記事をご覧ください。
火災保険料
空き家に火災保険をかけるべきかは意見が分かれると思います。
ここでは、空き家に火災保険をかけた場合について考えてみます。
火災保険料については、水災や風災の補償を付けるかどうかで変わってきますが、
- 1年間で2万円
- 1ヶ月で約1,666円
程度を見ておけば良いでしょう。
空き家で収益を得てはどうでしょうか?
空き家を所有していると維持費として
項目 | 1年間 | 1ヶ月間 |
---|---|---|
修繕工事費 | 27万7,000円 | 2万3,000円 |
管理費 | 12万円 | 1万円 |
税金(固定資産税・都市計画税) | 15万2,000円 | 1万2,666円 |
火災保険料 | 2万円 | 1,666円 |
合計 | 56万9,000円 | 4万7332円 |
がかかってくることが分かります。
上記はあくまでも目安ですが、空き家を維持するだけで年間数十万円かかることが分かります。
だからこそ、面倒だからと目的もなく空き家を所有し続けるのは、非常にもったいないです。
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