大阪市内に引っ越しするけど、車をどうしようか悩んでいる・・・。
そんな方は、多いのではないでしょうか?
「都会は車がいらない」と言われますが、車が絶対に必要な地域に住んでいる方にとっては、なかなかイメージしにくいものがあると思います。
この記事では、大阪市内に引っ越す人が「すぐに車を手放してしまう理由」を紹介していきます。
目次
大阪の自動車保有率は全国2番目に低い
まずは、大阪の自動車保有率が「実際どのくらいなのか」見ていきましょう。
自動車検査登録情報協会の統計によると、自家用乗用車の100人あたりの台数は、全国平均で47.3台となっています。
車を持っている割合が一番多い都道府県は、群馬県です。
自動車保有率が少ない順で見ていくと、日本最大の都市である東京都が”23.1台”とダントツで低く、次に大阪府30.8台、神奈川県33.3台、京都府38.5台、兵庫県40.7台と続きます。
順位 | 都道府県 | 100人あたりの台数 |
---|---|---|
1 | 群馬県 | 67.7台 |
2 | 栃木県 | 65.8台 |
3 | 茨城県 | 65.3台 |
4 | 富山県 | 65.0台 |
5 | 山梨県 | 64.4台 |
・・・ | ||
43 | 兵庫県 | 40.7台 |
44 | 京都府 | 38.5台 |
45 | 神奈川県 | 33.3台 |
46 | 大阪府 | 30.8台 |
47 | 東京都 | 23.1台 |
東京と大阪周辺の都市部で「車はいらない」と考えられていることが分かります。
大阪府は、全国2番目に自動車保有率が低く、大阪市内に限定すれば、さらに自動車保有率は下がると考えられます。
大阪市内で車がいらない理由
では、なぜ、大阪市は、自動車保有率が低いのでしょうか?
交通機関が発達している
大阪市内では、鉄道・バス路線が縦横無尽に張り巡らされています。
次は、地下鉄、JR、私鉄を含めた大阪周辺の鉄道路線図です。
出典:大阪市交通局「鉄道路線図」
大阪の中心部に行けば行くほど、駅が密集していることが分かります。
事実、大阪市の駅密度は、約1.07駅/km²と非常に高く、東京都(約0.95駅/km²)を超え日本一。
そのため、どこの場所にいても、5~10分ほど歩けば、何かしらの駅やバス停にたどり着けます。
それに加え、電車の本数も、バスの本数も、かなり多くあります。
朝の通勤ラッシュ時には、2、3分に1本のペースで電車が発着する駅もあり、電車の発車時刻を覚え、それに合わせて急いで支度する必要があまりありません。
いつ駅に行っても、比較的すぐに電車が到着します。
つまり、大阪市内であれば、公共交通機関で行けない場所は、ほぼありませんし、あまり待ち時間もありません。
タクシーも多く走っているので、いざという時は、すぐに捕まえることもできます。
駐車場が少ない
▲都市部のコンビニ
駐車スペースが少ないことも、あまり車を持たない要因です。
地方や郊外であれば、スーパー、コンビニ、飲食店、本屋など、どの店に行っても必ずと言っていいほど駐車場があります。
一方、都市部では、店に駐車場がないことがよくあります。
仮に駐車場があったとしても、
- ○分以内は無料
- ○千円以上のお買上げで90分無料
といったパターンが多く、なかなか気軽に駐車できません。
また、駐車場がない場合は、コインパーキングを利用することになりますが、都心では、15分300円、20分400円、60分600円・・・など、その料金も高額です。
中には、1日最大料金1500円と設定された駐車場もありますが、そういった所は人気も高く、土日祝は大抵満車になっています。
結局、20、30分ほど、色々と探し回った上、比較的安いコインパーキングを見つけますが、「目的地から離れてしまって、結構歩かなければならない・・・」ということが多々あります。
大阪市では、警察官に加え、民間の「駐車監視員」も巡回し、駐車違反の取り締まりを厳しく行っています。
例え、1分の路上駐車であっても、「駐車違反」とみなされ、減点(1~3)と罰金(10,000~25,000円)の対象となります。
慢性的な渋滞
西日本の中心都市である大阪市は、人口が多いだけでなく、企業も集積しています。
そのため、自家乗用車だけでなく、社用車、輸送用のトラック、タクシーなど、多くの車が走り、渋滞の原因となっています。
信号の数も多く、地方のように車がスイスイ進むことはありません。
一方通行の道路も多く、「近くに目的地があるのに、大回りさせられ、なかなかたどり着けない・・・」といったことも良くあります。
徒歩圏内に店が多い
大阪市内であれば、自宅から徒歩圏内に
- コンビニ
- スーパーマーケット
- ドラッグストア
- 飲食店
- 美容院
など、生活に必要なものが大抵そろっています。
車を走らせて、空いている駐車場を探し回るより、徒歩や自転車の方が早かったりします。
駐車場料金がとにかく高い
大阪市の月極の駐車場料金は、とにかく高いです。
住む場所にもよりますが、比較的安い駐車場でも2万円前後、3万円を超えることも良くあります。
駐車場料金だけで年間36万円。
自動車税、保険代、車検代、消耗品代なども含めると、自動車関係だけでかなり大きな出費になってしまいます。
そのため、「駐車料金に毎月3万円も払うくらいなら、車は諦めて、もっと利便性が良くて、綺麗なマンションに住もう」と考える方は多いです。
「レンタカー」「カーシェアリング」が普及している
「駐車場料金がもったいないから、車を諦める」
といっても、たまには、家族や友人と旅行したり、気晴らしに遠くまでドライブしたいときもあるでしょう。
そんなときは、大阪市内のあちこちにある「レンタカー」「カーシェアリング」サービスを利用できます。
レンタル料金は、1日6000~8000円ほど。6時間、12時間までなら、もっと安くなります。
週1回で利用したとしても、車を所有するより、安上がりです。
レンタカーの場合、1回借りるごとに、窓口に行って手続きをして、時間が来たらレンタカー屋さんに返品して・・・といった手続きが必要になります。
しかし、カーシェアリングというサービスを使えば、そんな面倒な手続きは必要ありません。
使いたい車が空いていれば、24時間いつでもネットで予約してすぐに車を使えます。
しかも、15分単位で使えて経済的。車検やメンテナンスの手間もかかりません。
※Times Car PLUS(タイムズカープラス)の場合
引越し後、車を手放した事例
実際、弊社でも地方から引っ越してきて、「すぐに手放してしまった・・・」というスタッフがいましたので、話を聞いてみました。
愛知県から大阪市内に引っ越してくるときに、車を持ってきて、月3万円で駐車場を借りていました。
しかし、あまり乗る機会がなく、気づけば3ヶ月が経過。
久しぶりに動かそうと思ったら、エンストしたため、手放しました。
愛媛県から大阪市内に引っ越してくるときに、田舎の感覚で車を持ってきましたが、あまり乗ることもなく、「駐車料金がもったいない」と思いすぐに売却しました。
まとめ
大阪市内で車を持つと、地方や郊外に比べて、維持費がかなりアップするのに、利便性が大きく損なわれてしまいます。
車を趣味で所有する分には良いかもしれませんが、「やっぱり、車がないと不便だろうな~」と思って引越してくると、車がなくても生活できる環境のため、案外使わずにすぐに手放してしまいます。
そのときに「駐車場料金を払わないなら、もっと良い部屋に住めたのに・・・」とならないために、引っ越す前に”車が本当に必要かどうか”しっかりと決めることをおすすめします。