「不動産をできるだけ早く売却して現金化したいので、買取にしようと思っているけど、本当に買取でいいんだろうか?不動産の売却は何度もあるものではないし、後悔しないように買取のメリット・デメリットを知りたい」
このような悩みに答えます。
本記事の内容
- 不動産買取のメリット
- 不動産買取のデメリット
- 即時買取と買取保証【比較】
- 買取でも高値が付きやすい物件とは
- 買取に向いている物件とは
本記事は本サイト運営会社である、株式会社 大坂不動産事務所の代表である栗本が執筆しております。私の経験を踏まえつつ、読者の方に分かりやすく執筆していきます。
1.不動産買取のメリット
まずはメリットから見ていきましょう。
メリット①:短期間での現金化が可能
不動産買取での不動産の売り先は不動産会社です。不動産会社が買取価格を査定し、あなたがその価格に合意すればすぐに買取が決まります。
仲介による売却の場合、買い手をみつけるまでに平均で3ヶ月~6ヶ月、その後売買契約を締結して、残代金の支払いを受けて現金化するには7ヶ月ほどかかります。
買い替え先への支払いや税金の支払いが近日中に迫っていて、ある期日までに現金化しておなければならないという場合、買取の方が確実に現金化できます。
弊社でも不動産買取の無料相談を受け付けております。
相談・見積は無料で、すぐにお出しできますので、気になる方はお気軽にご連絡くださいませ。
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メリット②:瑕疵担保責任が免除される
通常、不動産を売却したときは瑕疵担保責任を負う必要があります。これは民法第570条に売主の瑕疵担保責任として
“売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条【地上権等がある場合等における売主の担保責任】の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。“
と定められているものです。
これは不動産の売買でも当てはまり、隠れた瑕疵というのは買主が一般的な注意を払っても発見することができない欠陥のこといいます。このとき、売主も気づかず意図したものでなかったとしても責任を取る必要があります。
たとえば、
- 売却後に雨漏りが発生することが発覚した
- 柱がシロアリに食われていた
などの場合が考えられます。
このようなことが売却後に発覚すると、買主から損害賠償請求を受けて多額のお金を支払う必要性が出てきます。ですが、不動産を不動産会社が買取るときには、瑕疵担保責任が免責になります。
そのため、売却したあとに心配することがありません。
メリット③:近隣に知られずに売却できる
不動産を仲介によって売却する場合、不動産会社は購入希望者を探さなければならないのでREINSへの登録をはじめ、自社のホームページや店頭にも物件情報を掲載します。
そのため、近くに住んでいる方々には「売却しようとしている事実」を知られる可能性が高いです。すぐに決まればなんということはないかもしれませんが、長い間決まらなければ周りの目も気になってしまうでしょう。
不動産買取であれば、不動産会社との1対1の取引になります。広告宣伝活動をせずに売却を決めることができるので、周りの人に気づかれるリスクが小さくなります。
メリット④:仲介手数料がかからない
不動産売却を不動産会社に仲介してもらった場合、所定の手数料がかかります。
たとえば、1,000万円で売却したときの仲介手数料は36万円(税抜)になります。
しかし不動産買取の場合は買い手が不動産会社となるので仲介手数料がかかりません。実際に不動産売却を行う場合は、売却価格だけでなく、諸経費を差し引いた自身への入金で考えましょう。
※不動産会社に買取業者を紹介してもらった場合は買取でも仲介手数料が発生する場合があります。
メリット⑤:内覧に対応するストレスがない
不動産の購入は一生に何度もあるものではありません。そのため購入希望者も物件の情報を詳しく知りたいので内覧に訪れます。
売却を決めているとは言っても、他人に住居を見せるというのは生活が見られているような気がしてストレスが貯まります。また内覧は通常の会社が休みの土日に行われることが多く、売却が決まるまで土日は内覧への対応に追われる可能性もあります。
購入を前向きに検討している人ほど、細かいところが気になって多くの質問をしてくれます。このときに丁寧に回答することで購入の後押しにできますが、準備も大変です。そして購入を決めてくれる人が現れるまで、何度も内覧対応をしなければなりません。
不動産買取であれば、内覧は不動産会社が物件を査定するときの1回のみで済むので、手間も時間もかからず、ストレスを小さくできます。
2.不動産買取のデメリット
不動産買取のメリットをお伝えしてきましたが、デメリットもあります。
売却価格が仲介より安くなる可能性が高い
不動産買取の唯一のデメリットと言えることが、売却価格です。
仲介により売却するときに比べて10~30%安い価格になることが多いです。
基本的に不動産会社が査定した価格と、売主が希望する売却価格には差があることがほとんどです。それは行動経済学の分野で認められている「保有効果」が関係します。人は一度自身で保有したものに対しては相場よりも高い価値を感じる傾向があるというものです。
そのため売主が考える売却価格は査定価格よりも大きく高くなってしまうことが多いです。
また不動産会社も会社なので、買い取りしただけでは赤字です。そこから利益を出すためには、リフォームやリノベーションを施したり、売却のために広告宣伝活動をしたりする必要があります。
また必ずしも買い取った不動産が売れるとも限りません。そのリスクも不動産会社は引き受けることになるので、市場価格よりも低くせざるを得ないというわけです。
不動産会社が不当に買い叩いているわけではないということはご理解ください。
3.即時買取と買取保証
実は不動産買取にも厳密には2種類あります。即時買取と買取保証です。
3-1.即時買取
これは通常の不動産買取です。不動産会社が査定し、その価格で納得すればすぐに売買契約を結んで売却を決めます。
3-2.買取保証
仲介の場合、まず不動産会社は広告宣伝活動などで購入希望者を探します。ですが、お客さんあっての話ですから、売却がいつ決まるかは断言できません。
1ヶ月かもしれませんし、1年経っても売りに出たままかもしれません。
それでは資金計画も立てづらいです。そこである一定期間売却が決まらなかったり、売却価格が一定額を下回ったりした場合は不動産会社が買取ることにします。これが買取保証です。
買取までに販売宣伝活動などに取り組むため、通常の買取価格よりも安くはなりますが、「ずっと売れない」という心配はなくなります。ただし、物件や地域によっては買取保証が適用できないこともあるのでご注意ください。
※買取と仲介の違いについては、【不動産】買取・仲介の違いとは【比較方法や選び方を解説します】をご覧ください。
4.買取でも高値が付きやすい物件
買取でも仲介による売却価格より高くなる可能性があります。
たとえば、売却したい不動産の敷地が広すぎたり、狭すぎたりする物件の場合です。このような条件では、一般のお客さんからの購入希望者は見つけにくいです。売却価格を下げていっても一向に購入希望者が現れない可能性も高いです。
ですが不動産会社はそのような物件でも買い取れることがあります。それは広すぎる敷地は分割して販売したり、狭すぎる物件は隣の土地を合わせて買い取ってまとめて販売したりといった対策を打てるからです。
また現時点では不便な立地にあって価値が低い物件だったとしても、長期的に見れば環境が整備されて魅力的な立地の物件になるかもしれません。
そのような条件が整っていれば、不動産会社は買取後、長期で保有することも視野に入れられるので、無理して仲介で売却するよりも高値で買い取ってもらえる可能性があります。
5.買取に向いている物件
不動産売却の中には、買取に向いている物件というものもあります。
その①:築年数が古い物件
マンションの場合、耐用年数という視点でみれば大丈夫であっても、給排水設備などに寿命が来ている可能性があります。売却後、これら給排水設備の老朽化によって水漏れが起きると修繕費や賠償費用を支払わなければなりません。
このように築年数が古い場合は、売却後に様々なトラブルが発生するリスクが高いです。
その②:事故物件
自殺があった、火災などの自然災害にあった、などの事故物件では、購入希望者を見つけることが非常に困難です。まず見つからないと思ったほうがいいです。
もし売却を検討している物件がそのような場合、買取を選んだ方がいいでしょう。
以上、不動産買取のメリット・デメリット、そして不動産買取に向いている物件について解説しました。不動産買取は現金化までが早く、瑕疵担保責任も免責になるので、売却後はすっきりと忘れることができるのが大きなメリットです。