物件の現地見学(=気になるお部屋の下見)に行くとき、お部屋の中だけチェックして満足していませんか?
意外と見落とされがちなのが、建物の周辺や廊下・ゴミ捨て場などの共用部分。注意深く目を向ければ、防犯対策や管理体制、住人のマナーなど、実際に住む前に知っておきたい重要な情報がたくさん溢れています。
そう、現地見学は建物に一歩入った後、いや入る前から始まっているのです! 今回は、数多くの物件を見てきた不動産会社だからこそわかる、“ここだけは抑えておきたい”建物のチェックポイントをご紹介します。
目次
建物の管理は個人家主or管理会社どちらがいいの?
まず、建物をチェックする前に知っておきたいのが、誰が建物を管理しているのかということ。
賃貸物件によって誰が建物を管理しているかは異なります。たとえば、借りたいと思っている建物のオーナーが個人なら、下記の2通りが考えられます。
- 所有者自らの自主管理
- 外部(管理会社か不動産会社)に管理を委託している
分譲マンションなら共有部の管理は管理会社が行います。管理会社も管理専門の会社やデベロッパー系など色々な種類がありますが、それはまた別途ご紹介します。
では、大家さんによる自主管理と管理会社による管理では、どちらがいいのでしょうか?
これは一概にどちらがいいとは言い切れません。入居者のことをちゃんと考えている大家さんは、共用部の清掃やメンテナンスをしっかり行っています。管理会社は、きっちり管理するところからずさんなところまで本当に様々です。
まず物件の下見に行く際に、不動産会社に「物件の管理は誰が行っているのか?」と聞いてみましょう。管理会社であればその会社の評判を、大家さんであれば人柄や管理方法を聞くことでおおよそのイメージがわかります。その上で、自分の目でしっかりと建物を確認することで、住んだ後に「こんなはずじゃなかった…」というケースを回避できます。
それでは、実際に建物を見ながらチェックしておきたいポイントを抑えていきましょう!
建物・共用部で、見るべき5のツボ!
建物・共用部において見るべきポイントは下記5つとなります。
- 建物周りの防犯対策
- エントランスの防犯対策
- エントランスの管理体制
- 住人のマナー
- 設備の充実度
ではここからは、いよいよ注意すべきポイントを詳しくご紹介していきます!
まず、女性の一人暮らしで気になるセキュリティ面。建物に入る前に周囲をよく見てみましょう。
1、建物周りの防犯対策
<ココをチェック>
- エントランスが道路から奥まったところにないか
- エントランスまでの道に街灯が多いか
- 建物の周辺に隠れやすい死角はないか
建物周辺をよく観察したら、エントランスへ入ります。「セキュリティの基本はエントランスにあり」といわれるように、入り口部分の防犯対策はしっかりとチェックしましょう。
新築・築浅マンションでは、オートロックは備え付けられてることがほとんどです。エントランスに防犯カメラのモニターが表示されている物件もあります。
最近では、エレベーター内にカメラが設置され、1階でエレベーター内の様子が見れるようになっている物件もあります。
エレベーターに乗る前に不審者がいるかどうかを確認できるので、女性にとっては安心ですね。
また、暗証番号を押してから階数を押す方式のエレベーターなら、住人以外が建物内に入ってこれないというメリットがあります。
2、エントランスの防犯対策
<ココをチェック>
- オートロックの有無 ・防犯カメラ・モニターの有無
- エントランスに管理人が駐在しているか(駐在しているなら何時から何時までか)
- エレベーター内にカメラが設置されているか
- 郵便ポストがオートロック内にあるか
- 郵便ポストの鍵がついているか
- ゴミ捨て場や駐輪場が暗がりや死角にないか
郵便ポストや掲示板で分かる、マンション管理の質
3、エントランスの管理体制
<ココをチェック>
- エントランスの掃除が行き届いているか、ゴミは落ちていないか
- ゴミ捨て場は敷地内にあるかどうか、汚くないか、24時間ゴミ捨て可能か
- 郵便ポストの周辺は散らかっていないか
- エレベーターや廊下は汚れていないか
エントランスや共用部において、防犯対策のほかにチェックしたいのが管理体制です。エントランス内の掃除がされているかどうか、敷地内にゴミ捨て場がある場合は汚くないかどうか、24時間ゴミ捨て可能かどうかも確認しておきましょう。
管理体制をチェックする上ではずせないのが、郵便ポスト周りです。
郵便ポスト付近に置いてあるゴミ箱がチラシで溢れかえっていたり、ゴミ箱がなく周辺にチラシが落ちていたりするのは管理がずさんな可能性が高いので要注意!
ついでに、掲示板もチェックしておきましょう。建物内に掲示板があり、きちんと建物のルールが張り出されているところは管理がしっかりしている印象を与えます。
廊下や駐輪場から、住人のマナーが見えてくる。
4、住人のマナー
<ココをチェック>
- 駐輪場がある場合、自転車の置き方は整然としているか
- 郵便ポストの中身が一杯で、定期的にチェックされていない
- 廊下に自転車や傘など私物が置かれている
- ゴミ捨て場のルールが守られていない、ゴミの出し方が汚い
自分が住むマンションだからこそ、知りたいのが「どんな人が住んでいるのか?」ということ。
プライバシーの問題から、住人の年齢や性別などを知ることは難しいですが、マンションの共用部分をチェックすることで住人のマナーはある程度わかります。
たとえば、駐輪場。最近では写真のようにラック式といって1台1台を固定させる自転車置き場が増えています。
ラック式ではなく駐輪場スペースに自由に置ける場合、自転車が雑然と置いてある、無理やりバイクを置いてある、
古い自転車が放置されている・・・という光景を見つけたら黄信号。
また、郵便ポストの中身がはみ出るほどパンパン、廊下に自転車や傘などの私物が置いてある場合は住人のモラルが悪いことも考えられます。
宅配ボックスやバイク置き場など、あったら嬉しい設備たち。
5、設備の充実度
<ココをチェック>
- 宅配ボックスの有無
- 駐輪場の有無、屋根つき、台数規制はあるか
- バイク置き場の有無、サイズの確認を
- 駐車場の有無、こちらもサイズの確認を
さて、ここまで姑のような鬼のように厳しい目で建物をチェックしてきた私たちですが、今度は“あったらうれしい設備”にも目を向けてみましょう。
たとえば、一人暮らしで仕事の帰りが遅い方にとって嬉しい設備と言えば宅配ボックス。
これがあれば、実家からのありがたい支給物やアマゾンなどで買い物した商品も、時間を気にすることなく受け取ることができます。
自転車人口率がズバ抜けて高い大阪人にとって、はずせないのが自転車置き場。特に浪速区はなんばや堀江などへも自転車で行きやすいので、一人暮らしにとって自転車は欠かせない移動アイテムです。
新築・築浅であれば、だいたいの物件に駐輪場があります。料金がいるのかどうか、台数規制があるのかどうかは大家さんや管理会社に確認を。駐輪場がない物件に関しては、住人がどうやって自転車を置いているのか聞いてみましょう。
駐輪場よりさらに難しいのがバイク置き場です。
バイク置き場があることを条件にすると、ぐっと物件の選択肢が狭まります。
新築物件はバイク置き場を設けているところも増えてきましたが、数に規制がある場合がほとんど。契約前にバイク置き場の利用状況とサイズ、料金を確認しておきましょう。
大家さんとの付き合いは、地元に強い不動産会社に聞いてみて。
個人の家主さんが管理する物件に入居予定の場合、大家さんがどんな人か気になりますよね。
特に同じ建物内に住んでいたり、近くに住んでいて頻繁に建物に巡回に来たりする場合、どのような付き合い方をすればいいのかは知っておきたいところです。
そういう時は、地元に強そうな不動産会社に大家さんについて聞いてみましょう。
なぜなら、地域に根差した不動産会社は大家さんとの付き合いが長いため、その人柄や管理の方法について知り尽くしている可能性が高いからです。
はじめの挨拶やトラブル時の対応など、聞いておきたいことは先に不動産会社に聞いておくとよいでしょう。
最後に
いかがでしょうか? 物件の下見において建物のチェックは防犯対策や管理体制、住人のマナーなどを知ることができる重要な役割を果たします。
エントランスに入る前からお部屋に入るまでしっかりと周囲を見渡して確認することで、住んだ後の新生活の快適度が変わります。