原則、借地人(土地の借主)は、借地権(借地上の建物)を
・更新
・条件変更
・増改築(建替)
・第三者に売却(譲渡)
する際には、更新料や承諾料、名義書換料などの一時金が必要となります。
この記事では、借地権の各種手続きに関わる一時金の相場についてまとめました。
更新料
借地権を更新する際、地主に支払うお金になります。
実は、この更新料については、契約書に明記されている等のケースを除き、法的に支払い義務がある訳ではありません。
しかし、実際のところは、地主との関係を良好に保つ意味も込めて、慣習的に更新料の支払いがなされています。
相場
更新料 = 借地権価格 × 5~10%
例えば、土地の更地価格が5000万円、借地権割合が60%の場合、借地権価格は3000万円(= 5000万円 × 60%)となるので、
- 更新料は「150~300万円」
と計算できます。
承諾料(増改築・建替)
借地上の建物を「増改築」「建替」する際、地主に支払うお金になります。
この承諾料は、借地契約書に増改築禁止特約という条項が明記されている場合に必要となってきます。
相場
承諾料(増改築)= 更地価格 × 2~3%
承諾料(建替)= 更地価格 × 3~4%
例えば、土地の更地価格が5000万円の場合、
- 承諾料(増改築)は「100~150万円」
- 承諾料(建替)は「150~200万円」
と計算できます。
承諾料(借地条件変更)
借地権の条件を変更する際、地主に支払うお金になります。
例えば、
建物の構造を「木造」から「鉄筋コンクリート造」に変更する
借地権の契約期間を「20年」から「30年」に変更する
といった場合です。
借地条件変更に伴う承諾料は、過去の判例でも認められています。
相場
承諾料(借地条件変更)= 更地価格 × 10%
例えば、土地の更地価格が5000万円の場合、
- 承諾料は「500万円」
と計算できます。
名義書換料(第三者に売却)
借地権を第三者に売却(譲渡)する際、地主に支払うお金になります。
借地権を売却するとき、地主の承諾は、法的(民法第612条)にも必要とされています。
また、「借地権を売買したいけど、地主が応じてくれない。」
そんなときには、借地非訟により裁判所が「許可」を与えることになりますが、その場合であっても、借地人は、一定の金銭支払をすることとされています。(借地借家法第19条)
相場
名義書換料 = 借地権価格 × 10%
例えば、土地の更地価格が5000万円、借地権割合が60%の場合、借地権価格は3000万円(= 5000万円 × 60%)となるので、
- 名義書換料は「300万円」
と計算できます。
最後に
ここでは、各種手続きで必要な一時金の相場についてまとめてみました。
実際には、個別の条件(契約期間、地域など)を考慮して決められますが、あまりにも相場からかけ離れている場合は交渉の余地があるといえます。
ただ、借地権はトラブルになりやすく、一度こじれてしまうと関係を修復するのも容易ではありません。
弊社では、借地権の専門知識を有するスタッフがスムーズな交渉・手続きが行えるようにしっかりサポートいたします。
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