「まとまったお金が必要になったので底地を売却しようと思っている。できるだけ高く買い取ってもらいたいけど、交渉できるだろうか。」
そんな疑問に答えます。
本文の内容
- 底地を買取業者に売却するときは原則、交渉不可
- 底地を借地人や第三者に買い取ってもらうときは交渉可能
- 底地を単純に買い取ってもらう以外の交渉方法
弊社は創業して11年目の不動産会社です。地域密着型としてこれまで多くのお客様に支えられて営業してきました。その中で、底地についての相談をいただくときには、「できるだけ高く売却したいけど、価格交渉できるのか。」ということを聞かれるお客様もいらっしゃいます。
売却価格はそのままお客様の手元に残る現金なので、非常に重要なことです。そこで、この記事では底地を売却するときの交渉の可否、そして、買取以外の交渉方法についても解説しました。
目次
1.底地を買取業者に売却するときは原則、交渉不可
まず、底地を買取業者に売却するときには、価格交渉は原則できません。
買取業者も事業として底地の買取を行っています。
つまり、底地を買うことが目的ではなく、買い取った底地から利益を出すことが目的です。
そのため、底地を査定するときには、買い取ったあとの活用方法を考えながら利益を出せるだろう買取価格を提示します。
いい買取業者ほど、しっかりと根拠のある査定をして、お客様にとっても、自社にとっても満足できる価格を出すことになるので、交渉はできないと思った方がいいです。
買取業者の買取価格に納得できないときは、交渉して価格を上げてもらおうとするよりも、他の会社に査定を依頼した方が手間はかかりません。
特に、底地の実績がない買取業者であれば、断られるか、提示額も非常に低くなるので、底地の取扱いが得意な買取業者へ査定を依頼することが高値で買取業者へ売却するときには大切です。
信頼できる買取業者を選ぶポイントは下記の記事で詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
→ 底地を買取業者に売却するメリット・デメリット【業者選びのポイントも解説】
2.底地を借地人や第三者に買い取ってもらうときは交渉可能
底地を売却するときには、買取業者以外に借地人や第三者の投資家も候補となります。
そのときには、売却価格の交渉もできます。
特に、借地人に買い取ってもらうときには、交渉次第で更地価格の50%以上になる場合もあります。
2-1.借地人とは交渉次第で更地価格の50%以上で買取してもらえることもある
底地を購入して一番のメリットを受けられるのは、借地人です。
底地を買取ることで土地を所有権化することができ、増改築も売却も自由になるからです。
そして、借地人が底地を買取るときに目安とする金額が路線価の借地権割合に基づいて算出する価格になります。
たとえば、借地権割合が60%のときは、底地の割合は40%となります。
その場合、借地人が考える底地の買取価格は更地価格の40%です。
もともとこの借地権割合(底地割合)は、相続税の課税対象額を算出するために使う数字で、売買取引で使われることはめったにありません。
実際、買取業者が底地を購入するときには、底地割合ではなく取引相場を主に参考にされます。
ですが、借地人が購入するときには、借地権を所有しているということもあり、この路線価での買取価格の計算に納得される方も多いです。
そして、この価格をスタートとして、実際に買い取ってもらう価格交渉を行っていきます。
底地を買取るメリットを借地人に理解してもらうことで、最終的には底地割合よりも少し高く、更地価格の50%前後で合意することが多いです。
立地や底地の状況によっては、50%以上で買い取ってもらえることもありますが、そこは交渉次第になります。
2-2.借地人との交渉は不動産会社に仲介をしてもらうのがおすすめ
もしかすると、借地人とはこれまでの付き合いもあり、良好な関係を築けているので、底地の買取価格について直接交渉しよう、と思われるかもしれません。
しかし、地主と借地人が直接交渉して、話がまとまることはまずありません。
地主は高く売りたくて、借地人は安く買いたい、というように利害が対立しているので、交渉が進みにくいからです。
また、更地価格の50%となると、かなりの大金になります。
それだけの買取資金を準備するためにローンを組む必要がある場合も多く、その手続きも負担になってしまいます。
借地を買取るメリットについても、専門家である不動産会社の担当者から直接聞く方が、借地人からも信頼してもらいやすいです。
もちろん、不動産会社へ仲介を依頼すると、売買契約が成立したときには仲介手数料が発生します。
それでも、不動産会社へ仲介を依頼したほうがいいです。
たとえば更地価格が2,000万円で考えてみます。
このとき、更地価格の50%で売却できたとすると、仲介手数料は約30万円です。単純計算で手元に残るお金は約970万円です。
もし不動産会社へ仲介を依頼せず、交渉が決裂して第三者に売却することになると、相場は更地価格の10%~15%程度になります。
運良く15%で売却できたとしても、300万円です。仲介手数料は約14万円なので、手元に残るお金は約286万円になります。
この例からも明らかなように、交渉が失敗したときの金銭的な損失は莫大です。
さらに、底地の権利関係の確認・売買契約書・重要事項説明などの面倒な手続きも不動産会社にサポートしてもらえると考えれば、十分なメリットがあると言えるでしょう。
弊社でも底地売却のための交渉も可能です。
まずは底地の状況などをお聞きしますので、お気軽にお問い合わせください。相談は無料です。
3.底地を単独で買い取ってもらう以外の交渉方法
底地を単独で買い取ってもらうときの交渉の可否とポイントをお伝えしました。
ですが、底地は単独で売却する以外にも、借地人と交渉して、同時売却したり、等価交換して所有権化してから売却したりということもできます。
3-1.借地人に同時売却を提案する
同時売却とは、底地と借地を同時に売却することです。
同時売却することで、所有権の不動産を売却することと同じになるので、市場価格で売却できます。
その結果、底地だけで売却するよりも手元に残るお金が多くなる可能性が高いです。
同時売却で得た売却代金は一般的には、借地権割合に応じて借地人と分配します。
そして、同時売却するには、借地人も不動産を売却したいと思っていることが条件なので、提案・交渉が必要になります。
また実際の同時売却の手続きでは、買主が対借地権者、対地主の2つを結ぶなど複雑です。
交渉時だけでなく、売却後のトラブルを避けるためにも、必ず専門の不動産会社へ相談するようにしてください。
3-2.底地と借地権を等価交換する
底地と借地権を等価交換するというのは、「地主の底地と借地人の借地権とを、割合を決めて交換すること」です。
交換することによって、お互いの合意した割合で所有権の土地を取得します。
底地の上に建っている建物を地主に分けるというのも現実的ではないので、等価交換するときには、建物を取り壊すことが前提です。
もちろん建物が底地の一方に寄っていて、取り壊さずに等価交換できる場合はそのまま行うこともあります。
そして、等価交換のメリットは、底地を所有権化することで、土地活用も物件の建築も自由に行えるようになって資産価値が向上することです。
その結果、底地単独で売却するよりも高く売却できる可能性が高くなります。
また「交換」なので、地主・借地人それぞれに金銭の負担がないことも魅力です。
借地人も、底地を買取る資金はないけれども、等価交換なら対応できる場合があるからです。
一方で、等価交換のデメリットは、土地を分け合うことになるので、現在の土地よりも面積が小さくなってしまうことです。
このとき、どのような割合で交換するかは、交渉次第です。
借地権割合が60%であれば、土地の60%の所有権を主張するかもしれませんが地主としては納得し難いものでしょう。
そのため、お互いに納得できる割合を交渉で決めていく必要があります。
こうした場合でも、当事者同士では話がまとまりにくいので、不動産会社へ調整してもらうことがスムーズに交渉を進めるためにも重要です。
4.まとめ
ここまでお伝えしてきたように、底地を借地人や第三者へ売却する場合には価格交渉も可能です。
それはつまり、相手からも交渉される可能性があるということです。
そして、底地の専門家ではない当事者同士で交渉を進めると、話がまとまらないことがほとんどです。
特に底地を売却するときに一番高く売却できる可能性のある借地人との交渉がうまくいかなかったときの金銭的な損失は大きくなります。
底地は不動産の中でも取扱いが難しいものでもあるので、専門の不動産会社に交渉を仲介してもらうことをおすすめします。
仲介手数料を支払う以上のメリットが十分にあるからです。
ただし、底地・借地権の実績がなかったり、慣れていなかったりする不動産会社に依頼してしまうと交渉が進まなくなってしまうので注意してください。
弊社では経験豊富な担当者が、あなたの状況からしっかり話を聞いて、最適な解決策を提案させていただきますのでお気軽にお問い合わせください。相談は無料で承っております。