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急な転勤で『購入した不動産を賃貸に出す』ときに知っておきたいこと

不動産マメ知識

最終更新日:2021.05.07

急な転勤で『購入した不動産を賃貸に出す』ときに知っておきたいこと

「せっかく気に入ったマンションを買ったのに急な転勤になってしまった。3~5年で戻ってこられる予定だから、その間賃貸物件として貸し出して、家賃収入を家計の助けにしたい。そのためにはどうしたらいいのだろう。」

そんな疑問に答えます。

 本文の内容

  • マンションを貸し出すときに重要な心構え
  • 賃貸に出すときには期限付きの定期借家契約が安心
  • 賃貸物件として貸し出すときときの注意点
  • 返済額=家賃では赤字 ~賃貸にかかるコスト~
  • 空き家のまま維持したときの支払いと比較

弊社は創業して11年、地域密着型の不動産会社として累計11,890人のお客様に部屋探しのご提案をしてきました。多くのお客様と接してきた経験から、「一時的に不動産を賃貸に出すこと」について大切なことを解説します。

1.マンションを貸し出すときに重要な心構え


転勤の間だけであったとしても、マンションを貸し出すということは「不動産経営を行う」ということです。自分自身が不動産オーナーである、という心構えを持つことが重要になります。

もちろん今の家はこれから一生住み続けるつもりで、立地や間取りなどにこだわり抜いて購入したと思います。

ただ、自分がいいと思った物件だから、きっと入居者も簡単に見つかるだろうと考えていると、簡単に進まないことが多いです。

マンションの管理は管理会社に任せることになると思いますが、それでもオーナーとして、賃貸市場の動向を把握していることや、競争相手となる他の物件について間取りや条件なども頭に入れておきましょう。

また経費が思いの外かかったり、入居者トラブルに巻き込まれてしまったりと、短期間の賃貸でも想定外の事態は必ず起きるという気持ちでいることも大切です。

2.賃貸に出すときには期限付きの定期借家契約が安心


転勤の期間が、3年~5年ということが事前にわかっていて、転勤が終わったらまた戻って住むつもりであれば、定期借家契約にした方が安心です。

通常の賃貸の契約ではオーナーの都合で入居者を追い出すことはできません。
これは契約更新のタイミングでも同様です。契約書には「貸主が契約期間の6ヶ月前までに契約を更新しない旨の通知をした場合、更新はできない。」という特約があったとしても、簡単には更新を拒否できません。

オーナーが更新を拒否するには「正当な事由」が必要になるからです。契約書で更新について定められていたとしても普通借家契約であれば、オーナーからの通知のみで更新拒否は成立しません。

そこで定期借家契約というものがあります。これは契約期間が満了になると「更新」というものがなく、契約が確実に終了します。

そのため戻ってくる時期が予測できるのであれば、定期借家契約で賃貸に出して、もし予定よりも早く戻ってきた場合は、それまでの間、別の家で仮住まいするという対応もできて安心です。

3.賃貸物件として貸し出すときの注意点


実際に購入したマンションを賃貸物件として貸し出すときにはいくつか注意点があります。

注意点①:貸し出している期間、住宅ローン控除は受けられなくなる

住宅ローン控除は、条件を満たせば最大で10年間、計400万円の所得税控除を受けられる制度です。ただしこれは、住宅ローンを借りていて、その家に住んでいることが必要です。

そのため転勤で他の場所に住んでいて、マイホームを賃貸物件として貸し出している間は住宅ローン控除を受けられません。家に住まなくなるまでに税務署に「転任の命令などにより居住しないこととなる旨の届出書」などの書類を提出します。

もちろん転勤から戻ってきた場合には、再度届け出ることで住宅ローン控除は受けられるようになります。

また住宅ローンも借り入れた本人がその家に住むことが条件で融資されているものですが、転勤などのやむを得ない事情であれば契約違反とはならず、契約時の条件のまま借り続けられるので安心してください。

注意点②:不動産経営にかかるリスクを受け入れる必要がある

マイホームであったとしても、それを賃貸物件として貸し出すわけなので、立派な不動産経営をしていることになります。

家賃収入を得られるようになるというメリットの反面、不動産経営にかかるリスクも納得して受け入れて対策しておくことが大切です。

たとえば想定した家賃収入もその家賃で借りてくれる入居者がいてこそ実現できるものです。分譲マンションは一般的な賃貸マンションに比べて設備などの機能面が優れているとはいっても、入居者が決まらない可能性があります。

その間は当然ですが収入になりません。一方で、管理費や維持費、住宅ローンの返済などは発生し続けます。転勤時の家賃とは別に支出が発生するので、空室が続いたときでも支払い続けられる貯金は用意しておく必要があります。

また地震や台風などの自然災害による建物の倒壊・設備の破損等のリスクもあります。こうした自然災害はコントロールも予測も難しいものなので、万が一のために保険に入るなどの備えも欠かさずに行いましょう。

注意点③:定期借家契約では家賃が相場の5~7割になる

定期借家契約は契約期間が決まっているので、戻ってくる予定があればおすすめの契約方式であることは事実です。

しかし借りる側からすると、確実に出ていくことが決まっている物件というのは嬉しいものではありません。入居希望者もたまたま転勤などの理由で「3年間だけ借りたい」という偶然が起きなければ、相場の家賃で貸すことは難しいです。

そのため、定期借家契約での家賃相場は5~7割になることが一般的です。このくらいの家賃であれば、契約満了後の引越しや新しい物件探しの手間を考えても割に合うと思ってくれる入居希望者が見つかります。

もちろんそれだけ家賃を安くしても、すぐに入居希望者が現れることも稀だというくらいの気持ちで賃貸に出した方が、気持ちとして余裕が持てるでしょう。

4.住宅ローンの返済額=家賃では赤字~賃貸にかかるコスト~


転勤の間は住めないので、せめて住宅ローンの返済分だけでも家賃収入でまかなうことができればと思って、家賃を設定していると大きな赤字になってしまいます。

賃貸としてマイホームを貸し出している場合でも、その家の固定資産税や都市計画税は支払わなければいけません。マンションの管理組合への支払いも必要です。

また貸し出す前のリフォーム代やハウスクリーニング費用、必要であれば設備の取り替えなどの初期費用がかかります。そして賃貸に出している間の管理は、管理会社に委託することになると思いますが、その委託費も家賃の5%程度が相場です。

このように部屋を賃貸物件として貸し出すときには、想像しているよりも多くの支出があります。住宅ローンの返済分だけでもと思って家賃を低めに設定したとしても、経費でほとんどなくなり、返済額はオーナーの持ち出しになってしまうということもありえます。

家賃を決めるときには、これらの必要経費も考慮したうえで設定することが大切です。ただ転勤が決まって慌ただしいときに、自分で一から試算するというのも手間がかかります。

「賃貸に出したらどうだろう。」と考えたタイミングで不動産会社に相談した方が時間もかからず、スムーズに進むことが多いです。弊社でもマイホームを賃貸に出すときのプランについても無料で相談していただくことができますのでお気軽にお問い合わせください。
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5.空き家のまま維持したときの支払いと比較


少しの期間とはいえ、自分の家に他人が住むのは考えられないというときは空き家のまま持ち続けるという選択肢もあります。

 もし、空き家のままで維持する場合

  • 住宅ローンの返済
  • 管理組合への支払い
  • 固定資産税・都市計画税の支払い
  • 定期的な管理のための費用
  • 転勤先の家賃

上記の大きく5種類がかかります。

転勤先がそこまで遠くないのであれば、月に1回~2回程度、家族かご自身で訪問して空気の入れ替えや掃除などをして管理することもできます。そのときは転勤先からの往復分の交通費と時間が必要です。近くの親戚に管理をお願いするというのも一つです。

また近くに頼れる親戚もおらず、定期的に戻ることが難しい場合は管理会社を利用しましょう。費用はかかりますが、部屋は適切に管理しなければどんどん劣化していきます。空き家のまま放置してしまうと、戻ってきたときに逆に修繕や清掃などで多額の費用がかかってしまうかもしれません。

そして、住宅ローンの返済と転勤先の家賃で二重に支払いがあるので、金銭的にかなりの余裕がなければ生活が苦しくなるでしょう。

どうしてもその家でなければだめ、という理由がなく、賃貸に出すのも抵抗が強いということであれば、思い切って売却して、また転勤から戻ってきたときに新しく購入し直す方が負担も小さくおすすめです。

6.まとめ


転勤は私たちの意志に関係なく、突然決まることがほとんどです。転勤が決まってからは仕事の引き継ぎや、転勤先での新しい家さがしと慌ただしく時間が過ぎていくと思います。

そのときに今あるマイホームをどのように管理すればいいかと自分で情報を揃えて吟味して、判断するのは大変でしょう。賃貸に出す場合は、部屋のリフォームや設備の点検、収支のシミュレーションなどやらなければいけないこともたくさんあります。

もし賃貸物件として活用することを考えていれば、早目に不動産会社に相談することをおすすめします。弊社でも賃貸に限らず、売却や空き家のまま管理するなども選択肢にいれて、よりよい選択ができる手助けをすることが可能です。

弊社でも相談を無料で受け付けておりますので、お気軽にどうぞ。
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